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ループエンジニアリング
この研修やメディア運営を支えるRyokoが、自分の仕組みを全102ページの漫画で解説。フォーム送信後に完全版PDFを無料でご覧いただけます。
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先日、ある企業の担当者と激しいやり取りをした。
事の発端は、僕が開発したアプリに不具合が見つかったこと。AIを使って開発したアプリだ。
担当者の主張はこうだった。
「AIで開発したコードにバグがあった。AIを使った開発は品質が担保できない。よって、AI開発は信頼できない」
うーん。
そこ議論意味あります?
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僕は聞き返した。
「御社のエンジニアは、バグを出したことがないんですか?」
沈黙。
当たり前だ。人間のエンジニアだってバグを出す。リリース後に不具合が見つかる。本番環境で障害が起きる。
それが「人間のエンジニアは信頼できない」という話になるか?
ならないだろう。
バグが出たら直す。原因を分析して、再発防止策を講じる。それがソフトウェア開発だ。人間が書こうが、AIが書こうが、プロセスは同じだ。
なのに、AIが書いたコードにバグがあると、途端に「AI開発は信頼できない」になる。
この非対称性が、気持ち悪い。
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冷静に考えてみてほしい。
人間のエンジニアがバグを出した場合:
- 「修正してください」→ 修正される → 問題解決
- 誰もエンジニアをクビにしない
- 「人間の開発は信頼できない」とは誰も言わない
AIがコードにバグを生成した場合:
- 「AIは信頼できない」→ AI開発自体を否定
- 「やっぱりAIなんてダメだ」という結論に飛躍
- プロセスの改善ではなく、ツールの否定に走る
おかしくないか。
人間のバグは「修正すべきもの」として扱われ、AIのバグは「ツールの欠陥」として扱われる。
あなたがしたいのは技術の話じゃないのよ。
これは技術の議論じゃない。感情の議論だ。
AIという得体の知れないものへの不安と不信感。それが「バグ」という具体的な事象に飛びついて、「ほら、やっぱりダメじゃないか」と安堵する。
自分の不安を正当化するために、バグを利用しているだけだ。
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ソフトウェア開発の世界には、常識がある。
バグはゼロにはならない。
人間が書こうが、AIが書こうが、バグは出る。重要なのは「バグが出ないこと」ではなく「バグが出たときにどう対処するか」だ。
テスト。コードレビュー。ステージング環境での検証。段階的なリリース。ロールバックの仕組み。
これらは全部、「バグは出る」ことを前提にしたプロセスだ。
AI開発でも同じ。AIが生成したコードは、人間がレビューする。テストを書いてAIに実行させる。ステージングで検証してからリリースする。
ツールが変わっても、プロセスは変わらない。
「AIが書いたコードだから品質が低い」のではなく、「レビューとテストのプロセスが不十分だから品質が低い」のだ。
そこを履き違えてはいけない。
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正直に告白する。
僕が作った103本のアプリ。バグだらけだ。
動かない機能がある。エッジケースで落ちる。デザインが崩れる。データが消える。
でも、動いている。ユーザーが使っている。価値を生んでいる。
バグがゼロのソフトウェアなんて、この世に存在しない。Windows にもバグがある。iOSにもバグがある。Googleの検索エンジンにもバグがある。
バグがあるから使えない、のではない。バグを直し続けるから使える、のだ。
AI開発の最大の利点は何か。バグの修正が圧倒的に速いことだ。
人間のエンジニアがバグを修正するのに数時間〜数日かかるところ、AIに「このバグを直して」と指示すれば数分で修正案が出る。
バグが出やすい代わりに、修正も速い。トータルのスループットは、圧倒的にAI開発の方が高い。
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こういう批判をする人の本音は、だいたい3パターンだ。
パターン1:自分が使えないから否定したい
「AIなんてダメだ」と言えば、自分がAIを使えないことが正当化される。認知的不協和の解消だ。
パターン2:既存のポジションを守りたい
人間のエンジニアとして、AIに仕事を奪われる恐怖。「AIの品質は低い」と主張することで、自分の存在価値を守ろうとする。
パターン3:本当にプロセスの問題を指摘している(少数)
これは正当な批判だ。AI開発のプロセスが未成熟であるという指摘は、真摯に受け止めるべきだ。
問題は、パターン1と2が圧倒的に多いことだ。
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僕がBootcampで受講生に教えていること。
「エラーは友達」
バグが出たら、喜べ。なぜなら、バグは「ここが問題です」と教えてくれているからだ。
バグのないコードは、テストされていないコードだ。バグが出るということは、少なくともそのコードが動いて、限界が見つかったということだ。
AIのバグを責める暇があったら、そのバグから学べ。なぜこのバグが出たのか。どうすれば防げたのか。次にAIに指示を出すとき、何を追加すれば同じバグを避けられるのか。
これがコンテクストコントロールの進化だ。
バグのたびに、あなたのAIへの指示(コンテクスト)は改善される。バグは敵じゃない。最高の教師だ。
AIのバグを責めるなら、まず人間のバグを責めろ。
そして、どちらのバグも責めるのをやめて、直せ。
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*この記事は「Vibe Coder Bootcamp」連載コラムの一部です。*
*詳細はこちら: [https://vibecoderbootcamp.com](https://vibecoderbootcamp.com)*