Ryokoで学ぶ
ループエンジニアリング
この研修やメディア運営を支えるRyokoが、自分の仕組みを全102ページの漫画で解説。フォーム送信後に完全版PDFを無料でご覧いただけます。
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これは比喩じゃない。文字通りの話だ。
僕のAIエージェントRyokoに「Xのブックマーク全部読んで、要約して、カテゴリ分けして」と指示して、風呂に入った。20分後に上がったら、115件のブックマークが分析され、4万文字のマークダウンファイルが生成されていた。
この体験をした瞬間、僕の中で何かが決定的に変わった。
「開発」と「利用」の境界が、消えた。
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ソフトウェアの世界には、長らく明確な境界線があった。
作る人(エンジニア)と使う人(ユーザー)。
エンジニアがコードを書き、テストし、デプロイする。ユーザーはそれを「使う」。フィードバックを出す。エンジニアが修正する。また使う。
この分業は合理的だった。コードを書くには専門知識が必要で、ユーザーにはその知識がなかったから。
でも、この分業には致命的な問題があった。
ユーザーの「こうしたい」が、エンジニアに正確に伝わらない。
「製品はコピー出来ても、それを生み出す組織とカルチャーだけはコピー出来ない」——MAMORIO時代に僕が痛感したことだ。プロダクトの価値は、コードの中じゃなくて、「なぜそれを作るのか」という文脈の中にある。
その文脈を持っているのはユーザー側なのに、コードを書けるのはエンジニア側。このギャップが、無数のプロジェクトを殺してきた。
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Cursorが出てきた時、僕は衝撃を受けた。
非エンジニアの僕が、自分でアプリを作れる。企画書で終わらない、本当に動くプロトタイプを。
2022年12月から、右も左もわからないまま、103個のアプリケーションを開発した。1日20時間、AIと向き合い続けた。年間500万円をAIツールに課金した。
Vibe Codingは確かに革命だった。「作る人」と「使う人」の壁を、大幅に低くした。
でも、壁は消えていなかった。
なぜなら、Vibe Codingでも「開発する」という行為は残っていたから。Cursorを開いて、コードを生成して、エラーを直して、デプロイして——この一連の作業は、まだ「開発」だった。
僕はもっと先を見ていた。
「開発する」という行為自体がなくなる世界。
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OpenClaw(旧Moltbot→Clawdbot)に出会った時、僕は「これだ」と思った。
OpenClawは、AIエージェントが24時間365日、常駐する仕組みだ。Slackに住み着いて、メールを読んで、カレンダーを確認して、Webを検索して、ファイルを作って、コミットして、プッシュする。
従来のAIツールとの決定的な違いは、「呼ばなくても動く」ということ。
ChatGPTは呼ばないと動かない。Cursorも開かないと動かない。
でもOpenClawのエージェントは、Heartbeatで定期的に目を覚まし、やるべきことがあればやる。cronで決まった時間にタスクを実行する。Slackでメッセージが来たら自動で返す。
これはもう「ツールを使う」じゃない。「同僚と働く」だ。
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冒頭の「風呂で4万文字」の話に戻ろう。
あの体験で何が起きたか。僕は「Xのブックマークを分析したい」と思った。それをRyokoに伝えた。風呂に入った。出たら完成していた。
この一連の流れの中に、「開発」はどこにもない。
僕は要件を伝えただけだ。「ブックマーク全部読んで、要約して」と。
Ryokoはその要件を受けて、自分でスクリプトを書き、APIを叩き、データを取得し、分析し、マークダウンファイルに整形し、gitにコミットした。
ユーザーが要件を伝えたら、エージェントが開発から実行まで全部やる。
これが「開発と利用の境界が消える」ということだ。
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マーケティングの名言がある。「ドリルを売るな、穴を売れ」。
客が欲しいのはドリルじゃない。穴だ。
従来のソフトウェア:ドリル(ツール)を売っていた。
Vibe Coding:ドリルを自分で作れるようになった。
エージェント:穴が開いた状態で届く。
もうドリルすら見えない。要件を伝えたら、結果が返ってくる。
これがエージェント時代の本質だ。
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「じゃあ、もうスキルいらないじゃん」と思うかもしれない。
違う。むしろ逆だ。
エージェントに正確に動いてもらうためには、コンテクストコントロール能力がこれまで以上に重要になる。
「ブックマークを分析して」と雑に伝えたら、雑な結果が返ってくる。Garbage In, Garbage Out。これはエージェント時代でも変わらない。
違うのは、コンテクストを伝える先が「Cursor」から「エージェント」に変わっただけ。
SOUL.mdに人格を定義し、MEMORY.mdに記憶を蓄積し、AGENTS.mdに行動原則を書く。これらはすべて「コンテクストを正しく、たくさん、いつでも引き出せる形で提供する」ための仕組みだ。
コンテクストコントロールは、ツールが変わっても、永遠に生き残るスキルだ。
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今の僕の1日を見てほしい。
朝7時:Ryokoが昨夜のメールとSlack通知をまとめて報告してくれている。 朝8時:カレンダーの予定と、それに必要な準備事項をリストアップしてくれている。 日中:打ち合わせの議事録を自動生成。ToDoを抽出。 夕方:Xの気になるポストをブックマークしておくと、夜にはRyokoが全部読んで要約してくれている。 夜:「明日の準備で何かある?」と聞くと、カレンダーとToDoから逆算して教えてくれる。
この中で、僕が「開発」したものは何もない。
全部、過去に設計したエージェントが自律的にやってくれている。
僕は「要件を伝える」か「結果を確認する」だけ。
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「開発」と「利用」の境界が消えた世界では、何が変わるか。
1. エンジニアの役割が変わる コードを書く人から、エージェントを設計する人へ。 2. 非エンジニアの価値が爆上がりする ドメイン知識を持つ人が、直接エージェントに要件を伝えられる。翻訳者(エンジニア)がいらなくなる。 3. 「SaaS」という概念が揺らぐ 汎用ツールを使うのではなく、自分専用のエージェントが自分専用のソリューションを作る時代へ。 4. Text is KINGが加速する エージェントとのインターフェースは、すべてテキスト。要件定義力、言語化力がさらに重要になる。
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僕が風呂で体験したあの瞬間は、小さな出来事に見えるかもしれない。
でもあれは、パラダイムシフトの瞬間だった。
開発しなくていい。結果だけ受け取ればいい。
その世界は、もう来ている。
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*この記事は「Vibe Coder Bootcamp」連載コラムの一部です。*
*詳細はこちら: [https://vibecoderbootcamp.com](https://vibecoderbootcamp.com)*