チャットAIを卒業せよ。IDE×AIが革命の本質である理由

ChatGPTを使いこなしている、と思っている人。
残念ながら、あなたはまだ氷山の一角しか見えていない。
AI駆動開発の本当の革命は、チャットAIの中にはない。IDE(統合開発環境)の中にある。
---
チャットAIの限界を、ほとんどの人が知らない
ChatGPTやClaudeのチャット画面。便利ですよね。質問すれば答えてくれる。コードも書いてくれる。翻訳もしてくれる。
でも、チャットAIには致命的な限界がある。
プロジェクト全体のコンテクストを渡せない。
チャットAIに渡せるのは「今この会話で入力したテキスト」だけ。あなたのプロジェクトに何十個のファイルがあっても、そのうちの1つをコピペして「このコード修正して」と言うのが精一杯。
でも、本当のアプリ開発では、1つのファイルを修正したら関連する5つのファイルも修正が必要になる。5つのファイル全部で整合性を保たないといけない。
チャットAIでこれをやろうとすると?
1つ目のファイルをコピペ → 修正指示 → 結果をコピペして保存 → 2つ目のファイルをコピペ → 修正指示 → …
地獄です。
4つ目のファイルを修正している最中に、1つ目との整合性が崩れていることに気づく。戻る。直す。でも今度は3つ目と矛盾する。
この無限ループを、僕は「コピペ地獄」と呼んでいます。
---
コンテクストの3つのレベル
僕がBootcampで教えている概念です。
Level 1: 点のコンテクスト ChatGPTに「この関数を修正して」と単発で聞く。コンテクストはその1つの質問だけ。
Level 2: 線のコンテクスト ChatGPTで会話を続ける。「さっきの関数にエラーハンドリングも追加して」。前の会話を踏まえてくれる。でも会話が長くなると前半を忘れる。
Level 3: 面のコンテクスト CursorやClaude Codeが、プロジェクトの全ファイルをインデックスして理解する。どのファイルがどのファイルに依存しているか、全体の構造を把握した上で修正してくれる。
チャットAIはLevel 1〜2。IDE×AIはLevel 3。
次元が違う。
---
IDE×AIで何が変わるのか
具体例を出します。
ToDoアプリに「優先度フィルター機能」を追加するとき。
修正が必要なファイル:
- `components/TodoList.tsx`(表示ロジック)
- `types/todo.ts`(型定義)
- `lib/api.ts`(APIロジック)
- `components/FilterBar.tsx`(新規作成)
- `pages/index.tsx`(ページ統合)
チャットAIでの作業: 5つのファイルを1つずつコピペ。修正指示。結果をコピペ。次のファイル。 整合性チェックは全部自分。1つミスると全部やり直し。
Cursor(IDE×AI)での作業: Composerモードで「ToDoアプリに優先度フィルター機能を追加して。高/中/低の3段階で、フィルターバーから選択できるように」と指示。 AIが5ファイルすべてを同時に修正。型定義も、API呼び出しも、UIも、全部整合性を取って。 所要時間: 数分。
これが「次元が違う」の意味です。

---
なぜ多くの人がチャットAIで止まっているのか
理由は単純。チャットAIの方が「とっつきやすい」から。
ChatGPTやGeminiのUI、もう見慣れましたよね。チャットするだけ。誰でも使える。
一方、CursorやClaude Codeは、場合によってはIDEやターミナルの操作が必要。フォルダツリーもなんか小さいし、わかりやすいアイコンも少ない。
「黒い画面」にアレルギーがある人には、それだけでハードルが高い。
でも、その「ハードル」の向こう側に、革命がある。
ChatGPTで満足しているのは、自転車に乗れるようになって「もう移動手段は完璧だ」と思っているようなもの。車の存在を知らない。
知ってしまったら、自転車には戻れない。
---
「でもChatGPTでも結構できるよ?」
できます。認めます。
モックアプリなんかも作れたりするサービスもありますよね。
簡単なスクリプト、文章の生成、アイデアの壁打ち、翻訳。チャットAIで十分なタスクはたくさんある。
でも、「本当に動くプロダクト」を作ろうとした瞬間、チャットAIの限界にぶつかる。
10ファイル以上のプロジェクト。データベースとの連携。認証。デプロイ。
これをチャットAIだけでやろうとすると、最後はコピペ地獄に陥る。99%の人がここで挫折する。
IDE×AIは、この壁を粉砕する。
---
革命はIDEの中にある
チャットAIは、AI活用の「入門」。
IDE×AIは、AI活用の「本番」。
入門で満足するか、本番に進むか。
僕は103本のアプリを作る過程で、最初はChatGPTから始めた。でもすぐにCursorに移行し、そこからClaude Codeへ。そして今はエージェント開発。
各フェーズで「次元が変わった」感覚がありました。
チャットAI → IDE×AI → エージェント。
あなたが今チャットAIのフェーズにいるなら、次のステップはIDE。騙されたと思って、Cursorをインストールしてみてほしい。
世界が変わる。マジで。
ちなみに本当の先にはOpenClawが切り開いた世界もあるんだけど、それはその先の話。。。
---
次回は「非エンジニアの隠れた武器」。ドメイン知識がAIの出力を10倍にする、という話です。